【2012年度合宿報告】(三日目)
大久保先生「ゲーテの二つの詩」
授業開始前、黒板には『[講義] 大久保進名誉教授 「ゲーテと私」』と書かれていました。何やらすごいものが始まりそうだ…と少し緊張しましたが、最後にゼミ室に入ってこられた大久保先生は黒板の文字をご覧になって「名誉教授」の文字をそっと消されました。またタイトルもご自身で考えられ、「ゲーテの二つの詩」として講義が始ましました。
今回はゲーテの「WANDERERS NACHTLIED」「EIN GLEICHES」が取り上げられました。まず全体の訳。複数の意味に取れる語も後の語や詩の作りからひとつの意味に絞られていきました。
そのあとでこの詩が作られた頃のゲーテの生活についても触れられたため、よりゲーテに近い目線でこの詩を読むことが出来たと思います。
予定では大久保先生の講義のみでしたが、シャイフェレ先生が今年で定年を迎えられるということで後半はシャイフェレ先生による講義となりました。
シャイフェレ先生はドイツ語の単語の意味とその音の響きの関係にも言及されました。ドイツ語の単語の音が、それが表すものに似た響きを持っていると指摘されました。二つの詩からゲーテの生涯や翻訳の歴史、単語の音や韻など多くの話題が飛び出しました。
予定の一時間はあっという間に過ぎ、昼食の時間になってやむなく終了となりました。勉強会や発表、飲み会とてんこ盛りだった合宿が終わってしまい、少し寂しい気もしましたが、次の日には (人によっては帰った直後から)はいつもどおりの大学生活に戻らなければなりませんでした。
ゲーテの見た「甘い平安」はわたしたちには当分訪れそうにありません。
文責 2年安藤
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