【2012年合宿報告】(二日目)①
シャイフェレ先生勉強会
シャイフェレ先生の勉強会では、寓話(Fabel)を取扱いました。
寓話の中では、その話の登場人物にとってだけでなく人間への教えや指摘が示されています。
講義のねらいは用意された6つの寓話を読む中で、それぞれに込められた様々な教訓を読み取ることでした。私たちは配布資料の寓話をすべて読んだ上で、それぞれさらに1つを選んで読み、選んだ寓話について選んだ人を中心に詳しく議論していくという方式で勉強会を進めていきました。
今回の講義では、比較的有名なイソップのよくばりな犬の話、レッシングのスズメの話などを扱いましたが、中でも議論が盛り上がったのはルターの「Vom Frosch und der Maus」とカフカの「Kleine Fabel」でした。
ルターの寓話では、ネズミを死なせようとしたカエルだけでなく罪がないネズミも共にチュウヒに食べられてしまうのはなぜかという事を考え、弁神論(Theodizee)という概念に触れました。また、その寓話を、同じように罪がないネズミが食べられてしまうが、この話ではネズミを食べた「罪のある」ネコは生きている不条理を描いたカフカの寓話と対比させるのは非常に興味深かったです。
寓話のあらすじだけを追うのは難しくはないですが、そこに描かれたメッセージを理解するにはしっかりとした考察と、時には作者の背景等も汲んで考えなくてはならず、一筋縄ではいかないものだと感じました。
シャイフェレ先生は難しいテーマを背景知識も含め細かく説明して下さり、また勉強会が終わった後も、「新しい説を思い付いた」と言って教えて下さったりと、とても熱心に取り組んで下さいました。
先生の講義を受けるのは初めてですが、大変学ぶことが多く、興味がひろがる授業だったと感じています。
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