【2011年度合宿報告】1日目

2011年5月15日(日)〜17日(月)、ドイツ語ドイツ文学コース恒例の合宿が軽井沢セミナーハウスにて行われました。

学部生、院生、先生方など総勢30名にて行われた独文合宿の様子を参加者の皆さんに報告して頂きました。

<学部生発表>
発表者:3年 菅野栞
テーマ:モーツァルト魔笛」について

今回の合宿で三年発表者一人目の菅野さんは、発表の題材としてモーツァルトのオペラ「魔笛」を取り上げました。作品の概要を紹介した後、この作品に登場するキャラクターの伴奏に特有の音階と、キャラクターの性格を対比させることで、音階がどんな性質をあらわしてどんな感情を喚起するのかを論じる内容でした。この発表では、シンセサイザーとアンプが持ち込まれて発表者による実演が伴われたということ斬新な点でした。たとえば、パパゲーノにはG dur(ト長調)が多様され、軽く明るい音階として彼の基本性格を表現していること、自殺を思い詰める場面ではG mollト短調)に転じて暗い感情を表すことなどが説明されました。
 
次に、発表者はより一般化的な議論に移り、「濁った音の美しさ(不協和音)」「人が心地いいと感じる音階」について、ピンクパンサーのテーマやドビュッシーの「月の光」、日本のポップ音楽を例に挙げて(演奏付きで)考察がなされました。演奏付きということもあって、とても説得力を感じさせるものでした。

発表後の質疑応答では活発な意見の交換が行われました。その内容は多岐に渡り、「美」の観念についての哲学的なもの、さらには「美」の感覚は先天的か後天的かという問題をめぐって脳科学にまで及びました。また、学部二年生にも積極的に発言する姿勢がみられ、質疑応答がより活発なものになりました。

文責 3年曽根