5月28日「不条理な会」発表

 武です。ブログではお久しぶりです。
 5月28日に勉強会がありましたのでその報告をば。

 5月28日(金)6限 専修室にて。
 発表者: 武(3年)
 参加者: 川本、齋藤、沼田(4年生、敬称略)、香山、金(3年生)、と専修室のお母さん小野寺助手。
 テーマ: シュティフター「一八四二年七月八日の日蝕」(A.Stifter "Die Sonnenfinsternis am 8. Juli 1842")
      —ヴァーチャル/リアルから見るシュティフター

 ストーリィは何でもない(と武が感じる)シュティフター、先生をはじめ色々な人が描写に注目すべき点があるということで、シュティフター日蝕を観察したテクストを扱いました。描写に関して何かしら考えるところがあれば、と思ったのですがさほど特筆すべき点を見つけられず、「シュティフター(観察者・語り手)の弱腰な語り口」を出発点に、(日蝕という現象の)「予測(ヴァーチャル)」と「実感(リアル)」の差異から生まれる興奮や感動、畏怖の念について発表しました。

 過去の記事にある通り、春の裏合宿を欠席した穴埋めということだったのですが、テクストを配るのが遅れてしまい、参加者の皆様(特に準備や諸連絡をしてくれた香山君)にはご迷惑をおかけしました。その上、レジュメのドイツ語引用がばっさり抜けていて、なんだかもう、大変でした。
 内容はといいますと、2月にやった(Stifter "Kalkstein")ときよりはまとまった発表が出来たのではないかと思っています。何度か議論の波がすっと引いて静かになり、発表者としてはヒヤッとすることもありましたが、自分では気付かなかった切り口を指摘していただいたり、助手の小野寺さんからもコメントをいただいたりしたので、けっこう収穫があり、次のステップへ繋がる良い刺激となりました。発表の進め方に関していくつか注意を受けたので今後直していかなければ…。

 ところでこの勉強会、名を「不条理な会」と言います。
 発足して今の形になるまで結構かかりまして、発端は昨年5月にあった独文合宿の後、当時の2年生有志でパニッツァの『三位一体亭』を原文講読しようという話になったことでした。しかしいろいろあってこれが頓挫し、それでも何か読もう、議論しお互いを高めよう、という残留思念が集まり(まあぶっちゃけ全部動かしてたの香山君ですが)、後期から元助手の大泉さん(元気かなあ?)を中心とした読書会、日本語のテクストを扱った勉強会、思想に関して造詣の深い学生による発表会などが始まりました。

 その中の邦訳テクストの勉強会の名が「不条理な会」だったのです(ちなみに思想の会は「カエルさんチーム」でした)が、なんだかよくわからないうちに結局すべて統合されたのかな?今はたいてい学生で何かやるときにはこの名前が出てきますね(ていうかおもに香山、補佐役に武が動いている、という感じですが)。

 月1回を目標に活動していて(3、4月は香山ドイツのため休止しましたが)今までの発表はフロイト(井上)、ニーチェ(佐藤)、ハイデガー(沼田)、シュティフター(武)、ケストナー(木谷)などです。
 以前書いた裏合宿も「不条理な会」で合宿をしようという話から、山本先生が参加してくださることになり、4年生も巻き込んで大きくなったものですし、6月12日の発表会も最初は宮田先輩を招聘講師としてお呼びして「不条理な会」で発表していただこう、と言っていたのが全体でやることになったものです。独文の陰に不条理ありとはまさにこのこと(今考えた)。
 西の方では早稲田の独文は消滅したと言われているそうですが、「不条理な会」は、独文こそ早稲田で今一番活発に活動をしていると自負しているのではないでしょうか?(僕は知らん)

 そんな早稲田一元気(?)な「不条理な会」、基本的に来るものは拒まず去る者は追わずに自由奔放と活動しています。興味があれば2年生も他コース、他学部の人も大歓迎です。あるいは専修室や、喫煙者は31号館横の喫煙所に顔を出せば、たいてい独文学生がいます。まあ合宿が終わった頃には独文の雰囲気もだいたいわかると思うので、色々なところで2年生と交流が出来ることを楽しみにしています(2年生宛てだったのか)。

 ではでは・・

文責:武